月の女神は僕だけに微笑む モザイク版
何でもないような日に限って、雨は止まないものだ。土砂降りの雨に悪態をつきながら公園の東屋に駆け込むと、そこにはしとどに濡れた’彼女’がいた――「ねぇ、いつまで見てるの。えっち」「ふふっ、慌ててる。いいよ。君ならもっと見ても。ほら」「目のやり場に困るって…わたしのもっと恥ずかしいとこ見てるのに?」「……この前の海、楽しかったね」「あの日…本当は、わたし……」こぼれ落ちた彼女の本音が、雨音に溶けて混ざ...
何でもないような日に限って、雨は止まないものだ。土砂降りの雨に悪態をつきながら公園の東屋に駆け込むと、そこにはしとどに濡れた’彼女’がいた――「ねぇ、いつまで見てるの。えっち」「ふふっ、慌ててる。いいよ。君ならもっと見ても。ほら」「目のやり場に困るって…わたしのもっと恥ずかしいとこ見てるのに?」「……この前の海、楽しかったね」「あの日…本当は、わたし……」こぼれ落ちた彼女の本音が、雨音に溶けて混ざ...
あれから数日。日常のふとした瞬間にも’彼女’のことが思い浮かぶ。名前も聞き出せないままなのに。駅の反対ホーム、会うことなんてないと思っていた彼女の姿を見かけた俺は、思わず走り出し電車に飛び乗っていた。「ふふっ、ここで会うなんて奇遇だね。まさか学校以外で会えるとは思わなかったよ」「わたしのこと追いかけて来てくれたの?そういうのすっごく嬉しい」何故だろう。いつもと変わらないはずなのに、彼女の笑顔からど...