夜陰の窓
28歳の江畑芳孝は急に無職になり、途方に暮れていた。
唯一の癒しは隣家の人妻・吉山絵美佳。
近所で何度かすれ違っただけだが、高貴な彫刻のように整った顔と艶やかな黒髪に惹きつけられて、恋に落ちたのだ。
絵美佳が頭から離れなくなり、いつしか隣家を覗くのが日常になっていた。
1週間ほど前に彼女の夫が交通事故死すると状況は一変。
窓ごしに見える彼女は黒髪を結いあげて、黒紋付に身を包んでいる。
疲れきった表情で、芳孝は心配な気持ちに。
さらに、初七日の法要だった日に、見知らぬ男と言い争う姿を偶然目撃。
その男が手首を掴んで強引に彼女を引きずり、居間から出て行く姿を見て、いてもたってもいられず、林家の庭に忍び込んだ。
窓から部屋をのぞき見ると、絵美佳が襲われていた。
思ったほど緊迫感がなく、芳孝が飛び込むのを躊躇していると、絵美佳は徐々に感じ始めて……。